夢っていったい何だろう?
このテーマはこれまでもあちこちで語られてきたことだ。

自分の個人的願望の夢ばかりではなく、人知れず目立たない場所で努力する人もいる。
朝に目が覚めたら、東北に住む僕はザッザッという誰かの雪かきのスコップの音で目が覚めることも多い。目には見えない雪かきではあるが、誰かのおかげで道を安全に歩けることがある。

今年は暖冬で雪かきの音で目覚めることはほとんどなかったが、ゴミの日にカラスがゴミを突いて道に散乱してしまったゴミを近所の人と僕が拾い、近所の人も拾い、思わず互いに目が合ってしまって、知り合いでもないのに互いに目を合わせて、一瞬「同志ですね俺たち」みたいな思いで目を合わせて挨拶したりすることもある。

下村誠さんが亡くなって13年がたつ。

こないだ東京での下村誠さんの追悼ライブBOUND FOR GLORYの発起人三輪美穂さんと対談したときに、下村さんがレコーディング機材をもって、あちこちに飛び回っていたとの話を楽しくしていた。彼は僕のレコーディングを含めて自身の作品以外にも多くのミュージシャンのプロデュースをしていたりしていたから、とにかく多忙で、そしてスポンサーがあったわけではないから、それはもうあちこち飛び回って、ギターの音いれてほしい、この音を差し替えようとか、アナログに飛び回っていたのだということは目に浮かぶ。

2000年、いまから20年前、いまのようにメールに音を添付してとかスマホやパソコンでのやりとりがなかったから、重い機械をハードケースに入れて電車で移動して、下村さんがミュージシャンに手渡しにいく、ミュージシャンの自宅に行ってその場で録音するなんてことがよくあったのだと思う。

13年たって、出会う彼がいる。

録音で、CDの中の音でしか会っていなかった下村さんの親しいミュージシャンもたくさんいた。彼はいつのもにニコニコした笑顔で、機材を運んで「ラリーってやつのCDを作るからぜひ手伝って」と往復何時間かかけて電車で移動したりしていたのだろう。彼から機械を受け取って、録音の手伝いをしたミュージシャンに13年たってリアルに出会うとなおのこと思うのだ。下村さんが約50年、生きてきたうちの少なくとも何日か何週間かは、思い切り共に過ごし、思い切り大笑いし、思い切り音をともに奏でていたけれど、会ってない時も、そうして、誰かのために動いていてくれたのだ。本人から聞いたことがある。ミュージシャンの友人と駅で待ち合わせて、機材を手渡して「録音たのむよ、よろしく!」って。こないだの対談を通じて、鮮明に思い出した。

彼の声は生きていて、その声が電車の中で聞こえてくるようだった。あのときもこんな満員電車で機材をかかえて夢を見ていたのだろうか。
きっと嬉しそうだったに違いない。または、疲れていても夢があったのではと思う。彼の夢は、いま思えば、誰かの笑顔だったのかもしれない。あのとき、笑顔で、重なりあった音を聴きながら下村さんとともに喜んできた瞬間を、帰りの電車で思い出し、じわじわ泣けてきたのだ。それは、下村さんと会ったことのある人なら、きっとわかるだろう。

あのころの下村さんは、いまの僕と同じぐらいの年齢だった。仙台の下村誠追悼ライブ BOUND FOR GLORY 仙台の開催がいよいよ明後日となった。仙台のライブの発起人としてお手伝いさせていただき、このイベントに向けて、下村さんにご縁のあった方とのつながりがひろがった。

東京のライブでは当日、冊子が配布されたのだが、仙台では下村誠さんを知らない方も多くご来場されるので、なるべくわかりやすい冊子をいらしてくださった方にお渡ししようと、数週間ラインで仙台の冊子を作るためのやりとりが始まった。

ある人は原稿を打ち、ある人は校正をし、ある人は250回以上プリンタを通して印刷に明け暮れ、印刷物を郵送で受け取ったある人はおいらの番だ!とホチキス止めをし、僕の家に小包が届いた。

「下村さん、全国を小包が旅したよ」とつぶやきながら、仙台の会場に運ぶ最後のランナーとして開封するおいらは、感無量で小包を開けた。

これまであっただろうか?小包をあけるとき、うれし涙が止まらなくなって印刷物を汚さないように気をつけなきゃいけないような瞬間。下村さんへの愛だなぁ、と実感。

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Photo by masami wakamatsu さん

最後にライブ日程を書くとまさにテレビの番宣みたいでいやなのだが、仙台での開催が目の前に迫っている今、こころから彼に出会えたことに感謝する。

そして、より多くの方が下村さんの音楽に、また、下村さんの影響を受けたミュージシャンの方々の音楽に明後日は出会ってほしいと思っています。

下村さんの愛した音楽とともに。

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Photo by Miho Miwa さん

長文、読んでくださりありがとうございました。



下村誠13回忌追悼ライブ
BOUND FOR GLORY (仙台)
2020年2月23日(日)                          
OPEN14:00 START14:30
会場:カフェ・ド・ルシール 
宮城県仙台市青葉区国分町3丁目4-20清和ビル地下1階 TEL022-797-2036
入場料¥2,500 (1DRINK込) 
出演者:苫米地サトロ, Feather(フェザー), 橋本はじめ
梶田イフ, 河口修二, ラリー船長 ゲスト:スナフキン

ご予約は
rallysan1972@gmail.com まで

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